蹴りたい背中
先々月に読んだのだけれど、もう1回読んでみました。
綿矢りさというのは何だか正当に評価するのが、少し
難しくて
「美少女」
「早稲田」
「芥川最年少」
と俺のどこかコンプレックスを刺激するような(苦笑)
人なんですが、やっぱり改めて読むと才能あるなーって
思います。
リアルな世界が充実していそうな綿矢りさが、実はリアルな
世界が実は充実”してない”のではないか?
実はこっち側なのではないか?
そう思わせるような学校の「あるあるネタ」が随所に
散りばめられていて「この人本当に才能あるんだな」と
思います。
学校のグループで自分を繕って「授業の休み時間10分が
永遠のように感じた」とか「休み時間に眠くないのに寝ている
フリをしていた」とか学校生活の「そうそう!」と思わせる
ことが、もうほんと随所に!
この本では、吉本ばななに通じるような「ある共通性」
(要するにある種のコミュニティのあるあるネタ)の
筆力がハンパないです。
なので、綿矢りさを才能ないっていう人は自分の
コンプレックスが刺激されていて上手に評価
出来ないだけだと思います。