今読みたい!野沢尚のオススメ7作品②『リミット』

野沢尚さんが亡くなられて改めて彼の作品を読んでみました。色々読んだ中で面白かった作品、2作目を紹介しますノシ 

リミット (講談社文庫)

リミット (講談社文庫)

 

 

連続幼児誘拐事件の謎を追う警視庁捜査一課・特殊犯捜査係勤務の有働公子。婦人警官でなく、1人の母親として事件の当事者となってしまった彼女は、わが子を取り戻すため、犯人のみならず警視庁4万人を敵にまわすことに……。驚愕の展開、そして誰も予想だにしなかった戦慄の結末。ミステリーの到達点!

 

そんなに力も強くない一人の婦人警官がここまで、子供のために強くなれるのか?という作品。子供はもう帰ってこないのではないか?帰ってこないのではないか?

ということが延々描かれますがそれでも諦めず、何度も立ち上がっていく有働公子の姿がスゴイ!

 

あと、敵側とされるグループがえげつないです。自分はドラマ版は見たことあったのですが、小説版のほうが相当えげつなかったです。よく誘拐した子供にそこまでするなと((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

 

 

さて、今回のリミットを読んだ後、野沢尚さんの前作の破線のマリスの記述を思い出しました。主人公の映像編集の腕に関する記述です。

刺激で始まり、緊張が全編を貫き、余韻で終わる。それが瑶子が編集した映像の持ち味だった

というのがありました。これあれですよね?そのまま野沢尚さんの作品の「特徴」になるんじゃないのかな?と。

 

最初に「おや?」と思わせて、引き込む。そして物語が急展開する。ますます引き込まれる。そして余韻の残るラストが待っている。それがリミットという作品でした。

 

かつ、今回のリミットはその作品の展開が、自然な流れになっているのも好感が持てますね。

 

だってあるじゃないですか??どんでん返しを持ってこようとして、話がやたら複雑になってしまって収集付かなくなっている話とか。 

 

今回のリミットは、風呂敷を広げて広げて、それがきちんとまとめてくれる手腕が素晴らしかったです。