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今読みたい!野沢尚のオススメ7作品③『呼人』

 

呼人 (講談社文庫)

呼人 (講談社文庫)

 

 野沢尚さんが亡くなられて改めて彼の作品を読んでみました。野沢尚作品の色々読んだ中で面白かった3作目を紹介しますノシ 

 

この作品、今まで紹介した「破線のマリス」や「リミット」とは違って

 

どんな種類の小説か全然わからない

 

というところが非常に良かったです。

 

破線のマリス」は映画化もされたので、どんな「種類」の話かは何となく分かっていたし、また「リミット」もドラマ化されているので、どんな「種類」の話かはある程度分かっていました。

 

ただ、この「呼人」どんな種類の話か全然分かっていないので「次、どうなるのだろう?」というのが全く予想つかないので、そういう意味で非常に楽しめました。

 

思うに、本当に面白い小説というのは、「前情報」というのは「読もう」という動機にはなるにしても、それが「面白さ」を加えるものになるかというのは疑問ですよね。

 

なので、ぜひこの小説は是非ほぼ「前情報」を知らず、読んでほしいなと思います。

 

さて、その「前情報」をほとんどお伝えせず、この本の見どころを紹介したいなと(笑)思っているところなのですが、主人公の呼人の発言にスポットをあてたいと思います。

 

物語の途中で、呼人は

「どうして大人になるって、そんなに辛いことばかりなのか」

と言います。

 

その「大人の辛さ」について呼人は「どうして大人は今の自分を変えようとするの?」と言います。「今のままの自分でいれば余計な苦しみを感じなくてすむんじゃない?」と言います。

 

確かにどうして、大人は「今の自分」のままでいられず「自分を変えていこう」とするのでしょうか?

 

その一つとして「大人になって」「先が見えてしまっている」.。

そういったところもあるんじゃないかなーって。

 

あくまでも自分の場合ですけど、子供の頃はまだまだ未熟な自分でも「これから」があるし「将来」があるしとある種モラトリアムな時間だったのかなと。

 

ただ、大人になるにつれ、自分の選択肢が狭まってきて、ある程度自分の先が見えてくる。

 

そうすると「今のままじゃダメだ」とそう思うようになってくるんじゃないかな?

 

その後、呼人は迷いながら「生きる意味」を探していき、結果「自分を変えよう」としていきます。なので、この物語は実は呼人が「子供」から「大人」になる物語でもあるんじゃないのか?と今では思っています。

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