第8回スニーカー大賞受賞作(涼宮ハルヒの憂鬱)

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涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫)

 

 

 

友達に薦められて、昨年のスニーカー大賞の受賞作のこちらを読んでみたっす。

 

 

今まで、あまりラノベって敬遠していたんですが、友達も薦めるし「ちょっと読んでみっか」ということで、紀伊国屋で購入。

 

たぶん、以前、俺が読んだラノベって高校の頃のブギーポップは笑わないだと思うね(懐かしっ)

 

 

どうせあれだろ?ラノベなんて「萌えー」とか言っている人たちが読むのだろう?って思ってナメた気持ちで読み始める、俺(超偏見!)

 

で、結論から言うとこれ、面白いです!!(すいませんでした!)

 

>「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」。入学早々、ぶっ飛んだ挨拶をかましてくれた涼宮ハルヒ。そんなSF小説じゃあるまいし…と誰でも思うよな。俺も思ったよ。だけどハルヒは心の底から真剣だったんだ。それに気づいたときには俺の日常は、もうすでに超常になっていた―。

(あらすじ)

 

これ冒頭なんですけど、いわゆるボーイミーツガール的小説で、少年が少女と出会うことによって、その日常が変化していく。ここまでは普通。

 

ただ、その変化がメタ的に面白いんですよね。

 

で、そのメタに関することだけどよくメタ的な要素で小説内小説や映画内映画ってあるじゃないですか?

 

小説内で小説の構造や仕組みに言及するのって、俺としてはすごい苦手なんですよね?

 

たとえば、何の小説か忘れてしまいましたが、推理小説で「冒頭で主要人物は死なないことになっているから安心だ」とか、そういったのってすごい醒めちゃうんですよね。

 

わざわざ、小説の途中で「これはフィクションです」って言うのってどうなん??って。

 

で、この涼宮ハルヒの憂鬱は、そういったメタ的な記述がたくさんあります。(小説などによくある、世界が終ってしまうような陰謀や地球外生命体の話などをメタ的な視点で主人公が語っています)

 

涼宮ハルヒがすごい面白いのは、このメタ小説的な話が絶妙にバランスよく書いてあるんですよね。(読んでても全然醒めないです)

 

メタの言及が「確かに、現実でそんなことが起こったら、そんな醒めた見方するよなー」と唸ってしまうような書き方で、これはすごい!

 

 

主人公は非日常への渇望があるが、諦めている(SF小説的な話はあくまで小説の話のことだ)。一方、ハルヒは自ら行動を起こしつつ、積極的に非日常を求めている。

 

そして結果的に、主人公はハルヒに巻き込まれていく。

その巻き込まれ方が、主人公の「めんどくせー」や「やれやれ」のスタンスの中、巻き込まれていく。

 

最終的に、ページの残りが少なくなってきて「えっ?この小説、話まとまるの??」って心配になっていたのですが、きちんとまとまるまとまる。作者の腕に圧巻です!!

 

ただ一つ難点をいうと、こういった小説って、人気が出るとシリーズ化されるじゃないですか?(ブギーポップもそうですよねw)この作品だけでまとまっているので、続編出さなくて良いんじゃない?って思うけれど、どうなんでしょう?

 

追伸

すでに3巻まで出ているそうですね。それはそれはクソつまらなそうなシリーズになりそ(ry